瀧川研究室

凝縮系物性

研究内容紹介

超伝導体、低次元伝導体、量子スピン系、などの強い電子間相互作用を持つ個体における新奇な量子多体現象を、核磁気共鳴法(NMR)を主な実験手段として研究している。強相関電子系の著しい特徴は、超伝導、強(反強)磁性、電荷秩序、軌道秩序といった多彩な秩序を示す基底状態が拮抗しており、磁場・圧力などの外的条件を変えることでこれらの間の量子相転移が起こり得ることである。原子核は固有の磁気モーメントや電気四重極モーメントを持っており、これらは周囲の電子が作る磁場や電場勾配と相互作用している。 このためNMRは、固体内電子のスピン、電荷、軌道といった多重自由度と結晶格子がおりなす様々な秩序状態や揺らぎの性質をミクロに探る有力な実験手段となる。我々は高性能なパルスNMR測定装置を、低温・強磁場・高圧などの外的環境条件と組み合わせて、次のようなテーマの研究を行っている。1.量子スピン系のダイナミクスと強磁場誘起相転移、2.エキゾチックな超伝導、3.フラストレートした相互作用を持つ電子系と金属絶縁体転移、4.f電子系における多極子秩序と揺らぎ。

メッセージ

思いがけない発見が楽しい。実験の現場で、不思議なこと、わからないことを見つけた時のわくわくとする興奮を体験して欲しい。

大学3~4年生の時は、素粒子実験の研究室で大勢の人と一緒に実験をしました。しかし、規模は小さくてもマイペースで自分で考えながらできる研究がいいと思い、大学院では物性実験に進みました。核磁気共鳴の実験を始めて、ミクロな電子の振る舞いが手に取るように分かることに感動しました。自分の研究を通して当時その分野をリードしていた先生方と話ができたことや、30代の10年間のアメリカでの経験などが、大きな転機となっています。 私たちの研究室で行っている核磁気共鳴(NMR)とは、物質中の原子核スピンを「目」として、まわりの電子のスピンや電荷の振る舞いを「見る」実験手法です。これによって、色々な物質における電子のスピンや電荷の配列や揺らぎの様子、超伝導体のクーパー対の広がり方などが分かります。このような情報をもとに、多数の電子が協力して形成する、新しい量子状態を発見することを目標としています。

物質系専攻を志す学生へ

研究は決して予想通りには進みません。意外なこと、予想外なことを見つけた時の、わくわくするような興奮をぜひ体験してください。その問題を粘り強く追及し、やがて解決した時に世の中を動かす発見になっているかもしれません。楽しんで研究をして下さい。

瀧川研究室のメンバー

瀧川 仁 教授

瀧川 仁 教授

1978年
東京大学理学部物理学科卒

1983年
東京大学大学院理学系研究科 博士課程修了

1983年
東京大学物性研究所技官

1987年
ロス・アラモス米国立研究所研究員

1990年
IBM T.J.Watson研究センター研究員

1997年
東京大学物性研究所教授

学生の声

瀧川先生は、とても面倒見の良い先生です。学生の数が少ないということもありますが、普段からマンツーマンで指導して頂き、教授と学生の距離が最も近い研究室なのではないかと思います。

昼過ぎのコーヒータイムには、他愛のない話から研究の話題まで会話が弾みます。

また、瀧川先生はとても多趣味で、特にピアノとフルート、テニスはかなりの腕前です。自分も、瀧川先生のようにいつまでも多趣味であり続けたいです。

高野 俊 さん

物質系専攻を志す学生へ

物質系専攻は、工学系研究科や理学系研究科に比べて多種多様なバックグラウンドを持った学生が集まります。物質系専攻で、異分野の人とも交流を深めたりお互いに刺激を与えあったりすることで、分野の垣根を越えた俯瞰的な視点や、自分の研究を見つめ直すきっかけが得られるのではないでしょうか。

お問い合わせ

〒277-8561 千葉県柏市柏の葉5-1-5

東京大学大学院 新領域創成科学研究科

物質系専攻 瀧川仁教授研究室

04-7136-3225