中辻研究室

量子物質

研究内容紹介

物理学のフロンティアは、新しい物理現象の発見にあります。なかでも、現代の電子・情報社会を支える材料としての無機物質から、物質中の1023個もの電子が相互作用して創りだすマクロな量子現象が続々と発見されており 物理と化学を駆使した新物質の開発こそが新しい量子現象を目指す物性物理の醍醐味であると言えます。 私達は、特に遷移金属化合物や、重い電子系と呼ばれる金属間化合物の新物質開発に取り組み、量子現象として、スピン・軌道の秩序と隣接する新しいタイプの金属状態・超伝導状態、従来型のスピン秩序を抑えることで期待される、磁性半導体での新しい量子スピン液体状態などに注目して研究を進めています。 さらに、私達の研究室は、物質の化学合成のみならず、こうした新しい物理現象の発見を目指し、物理測定にも力を入れています。多様な合成法を用いて化合物の単結晶を自ら育成すると共に、室温から、量子効果が重要となる極低温まで様々な物性測定を行っています。 現在の主な研究テーマは (1)量子相転移近傍でのエキゾティック超伝導、(2)金属磁性体でのベリー位相による巨視的量子効果と不揮発性メモリ、(3)2次元磁性半導体での量子スピン軌道液体などがあります。

メッセージ

固体中の電子の造る宇宙は、その量子性ゆえに、神秘的で多様な姿を見せます。新しい現象の探索とその謎解きから、革新的な機能性材料につながる発見が生まれます。

金属、セラミック、プラスティック、ナイロンなど、私たちの身近にあふれているのが無機材料です。パソコンやスマートフォンといった電子技術を担うのも無機材料です。それらの持つ様々な機能を決めるのは固体中の電子の量子性です。この固体中の電子の造る宇宙の探査とその謎ときは、まだまだ始まったばかりです。磁性、半導体、超伝導などの物質の示す神秘的な振る舞いは、ごく一部のみが理解されているだけで、その広大で多様な世界は、そのほとんどがまだ未開拓です。 私たちの研究は、この固体の中の電子の振る舞いを理解し、新しい機能を発見することが目標です。そのためには、先進的な技術を駆使してさまざまな新しい材料を合成し、その性質を正確に評価すること。それが、我々の理解を超えた新しい電子機能の発見につながります。そして、その発見が基礎となり、新しい物理概念が切り拓かれます。さらに、それは世の中の革新的材料や技術へと応用されていくでしょう。

物質系専攻を志す学生へ

固体の中の電子の振る舞いには、我々の理解していないさまざまな現象が潜んでおり、まだまだ、ノーベル賞につながるような大発見をする可能性を大きく秘めています。私こそはという方は、ぜひとも挑戦してほしいと思います。

中辻研究室のメンバー

中辻 知 教授

中辻 知 教授

1996年
京都大学工学部金属系学科卒業

2001年
京都大学大学院理学研究科物理学専攻博士課程修了

2001年
日本学術振興会特別研究員(PD)(米国国立高磁場研究所、米国フロリダ州)

2001年
日本学術振興会海外特別研究員(米国国立高磁場研究所、米国フロリダ州)

2003年
京都大学大学院理学研究科物理学・宇宙物理学専攻講師

2006年
東京大学物性研究所准教授

2016年
東京大学物性研究所教授

学生の声

中辻先生は、研究者として尊敬でき、指導教官として信頼できる方です。研究に行き詰り相談に伺う度に、多くの経験と知識を活かして、新たな知見とやる気のみなぎってくるアドバイスをして下さいます。

研究室には、留学生や元社会人・文系出身の人も在籍しており、多様性に富んでいます。様々な価値観の中で研究生活を送れるのも中辻研の魅力です。さらに、研究室には毎年多くの研究者が海外から来られ、大変国際的です。私達も海外に長期の実験に行ったり、国際会議で発表をしたりして、世界を舞台に研究をしていることを感じます。

私達の研究は、こうした環境で育まれています。そこには、新しい物理現象の発見により世の中の常識を変えることができる「無限の可能性」があると思います。

肥後 友也 さん

物質系専攻を志す学生へ

物質系専攻は自分自身が積極的にアクションを起こせば、幅広い知識を吸収できる非常に恵まれた環境だと思います。新しい研究室への進学は不安が多いでしょうが、得られるものはそれ以上に多いです。みなさん勇気と希望をもって、物質系専攻に進学してください。

お問い合わせ

〒277-8561 千葉県柏市柏の葉5-1-5

東京大学大学院 新領域創成科学研究科

物質系専攻 中辻知教授研究室

04-7136-3892