研究紹介

本研究室のテーマに共通するポリシーは、 ナノ領域においてバイオ分子からなる界面を制御し、新たな機能を生み出すことです。タンパク質や核酸などの生体成分がもつ優れた機能を工学的に利用するために、人工材料との融合ならびにその応用を進めている。 バイオ成分を融合した新物質・新材料の創成を基礎に、バイオ計測の新原理・新手法の開発ならびに生命プロセスの人工的制御に関する 研究を行い、環境科学、生命科学、医用工学などへ応用することを目指しています。

前田研究室 研究紹介

 

DNA融合ナノ粒子による精密遺伝子診断(DNAがその末端で正しくマッチしたときだけ粒子の凝集とそれに伴う色変化が起こる)

前田研究室 研究紹介

 

マイクロチップ遺伝子診断(手のひらサイズのチップで迅速に変異遺伝子を分離・計測)

メッセージ

子どもの頃から、化学が一番好きだった。理学や工学から医学、農業・環境など、分野を横断する研究がここにある。

「巨人・大鵬・卵焼き」。私が子供の頃に流行った言葉です。スポーツが好きで、特に野球はやるのも見るのも好きでした。そして、勉強では化学が一番好きでしたね。この道に進むきっかけとなったのが、大学時代の恩師から学んだ「やわらかい化学」。 温度応答性高分子と遺伝子DNAを結合した融合材料を研究しているとき、偶然にナノ粒子が出来ることを発見。しかもそのナノ粒子が遺伝子の配列を識別して目に見える変化を示すことを偶然に見出したことは今でも心に残っています。私たちの研究は、個々人に最適な医療を行うために簡単な遺伝子診断法が求められており、金属や無機化合物に加え、遺伝子やたんぱく質などのソフトなマテリアル(物質・材料)の重要性はますます高まっています。

物質系専攻を志す学生へ

生命の営みは物質を基盤に成り立っています。当研究室は独立行政法人理化学研究所のなかにあり、意欲ある学生さんに分野横断的な基礎研究を進める機会を提供しています。好きだと思える研究をしていきましょう。

プロフィール

前田 瑞夫 教授

前田 瑞夫 教授

1978年 東京大学工学部合成化学科卒

1983年 東京大学大学院工学系研究科合成化学専攻博士課程修了(工学博士)

1983年 東京大学工学部合成化学科助手

1988年 九州大学工学部合成化学科助教授

1995年 九州大学工学部応用物質化学科教授

2001年 理化学研究所主任研究員

2006年 東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻物質科学連携講座教授(兼務)

学生の声

近藤  栄太郎

近藤  栄太郎 さん

前田教授は、優しくもあり、厳しくもある先生です。気軽に議論を交わすことができ、学生にとって心強い先生です。

研究室は、理化学研究所にあり、大学とは違った雰囲気で、毎日活発な議論が交わされています。物理学者やナノテク科学者あるいは生命科学者らと机を並べて研究することができ、応用範囲の広さを実感します。私自身も、今まで無かった新しいモノを創りだして、ワクワク出来る世界を創りだせると感じています。


物質系専攻を志す学生へ

「研究を通じてワクワク出来る世界を創りだしたい」といった志を持った方と、物質系専攻で一緒に研究が出来ることを心から楽しみにしています!

研究室訪問

  • 048-467-9311
  • 277-8561
  • 千葉県柏市柏の葉5-1-5
  • 東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻
  • 前田瑞夫教授研究室
  • mizuo@riken.jp