新領域創成科学研究科 物質系専攻【東京大学大学院】Department of Advanced Materials Science, School of Frontier Sciences, The University of Tokyo

研究室紹介

芝内 孝禎 教授 研究室

物性・光科学講座 [凝縮系量子相物理学]

芝内  孝禎 教授  研究室

研究室へのお問い合わせ

研究室ホームページ
TEL / FAX : 04-7136-3774、e-mail: shibauchi@k.u-tokyo.ac.jp


人の役に立ちたいと思って物理に向かった。
アイディアが浮かんだ時に、それが正しいのか実験して
確かめられるチャンスがすぐそこにあります。

卒業研究で高温超伝導の研究を始めて、金属超伝導を説明するBCS理論が物理学で最も美しい理論の一つであることを知り、また物理学の様々な分野にも影響を及ぼしていることに感動しました。高温超伝導は、このBCS理論でも説明できない不思議な現象で、どんどん研究の魅力にはまっていきました。物質中にはたくさんの電子がありますが、一つ一つの電子の性質が完全にわかっていたとしても、それがたくさん集まると、全く予想できない性質を示すことがあります。ノーベル賞物理学者のP. W. Andersonはこのことを"More is different"(多くなると何かが変わる)という短い言葉に込めました。特に、電子の量子性が重要になるような場合には、通常の電子論では全く説明できない現象が現れます。高温超伝導はこの一例であり、その発現機構解明は物理学者の大きな夢です。この不思議な性質を理解し、制御できれば、様々な新しい機能を創り出すことも可能となるでしょう。

物質系専攻を志す学生へ

ふとアイディアがひらめいた時、それを実験して検証する。これがサイエンスの醍醐味ですが、物性物理学では多彩な現象を扱うので、研究を始めたばかりでもそんな醍醐味が味わえる機会があります。オリジナルな発想を大切に、自由な雰囲気で研究を楽しんでください。

芝内 孝禎 教授 顔写真

プロフィール

芝内 孝禎 教授 [Professor Takasada Shibauchi]

  • 1990 東京大学工学部 物理工学科 卒業
  • 1993 東京大学工学部 物理工学科 助手
  • 1999 東京大学 博士(工学) 取得
  • 1999 ロスアラモス研究所 博士研究員
  • 1999 IBMワトソン研究所 客員研究員(兼任)
  • 2001 ロスアラモス研究所 オッペンハイマーフェロー研究員
  • 2001 京都大学大学院工学研究科電子物性工学専攻助教授
  • 2005 京都大学大学院理学研究科物理学・宇宙物理学専攻准教授
  • 2014 東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻教授

研究室紹介動画及び入試説明会動画

研究室紹介動画 芝内教授 サムネイル

芝内教授 研究室紹介動画

平成30年度入試説明会 芝内教授 研究室 サムネイル

平成30年度入試説明会 芝内教授 研究室

研究紹介

研究室の様子

本研究室では、物質中の多数の電子が量子効果により示す様々な状態を、最先端の低温物性実験技術を駆使して研究しています。具体的には、電子間の相互作用が重要になった場合に現れる、物質の量子相“Quantum Phases of Matter”と呼ばれる様々な状態を研究対象としています。このような量子相の理解は、現代の基礎物理学における最重要課題の一つとなっており、次世代の機能開発原理の基礎を与えるものです。例えば、最難問としられている高温超伝導発現機構の解明、そのヒントを与えるのではないかと期待される量子臨界点の物理学(左図)、30年間の固体物理学の謎として知られている重い電子系化合物に現れる「隠れた秩序」の解明、理論的研究が先行して実験的な検証が求められている量子スピン液体やトポロジカル超伝導状態などの多彩な現象を扱っています。

実際の実験では、自分たちで装置を設計し(右図)、測定プログラムを組み、解析方法を考えるなど、ルーチンワークではない研究を行いますので、研究を通して物理学の理解を深められるとともに、色んな測定に関する技術を身に着けることができます。

研究室の様子 研究室の様子

先輩からのメッセージ

藏田 聡信 さん

藏田 聡信 さん [Satoshi Kurata]

芝内先生は、強相関系分野の最前線で研究をしており、学生一人一人の目線に立ってくれるのでとても話やすい先生です。鋭い視点で、非常にためになる議論をしてくれて、とても尊敬できる方です。

芝内研究室では高温超伝導体の基礎研究を行っています。高温超伝導体の発現メカニズムは現在未解明であり、その解明に関する研究は高温超伝導体の更なる応用へと繋がり、未来の社会を支えるものだと思います。スタッフを含め、気さくで話しやすいメンバーが揃っています。研究に打ち込める環境が整っており、議論や質問が盛んに行われています。

物質系専攻を志す方へ

私たちの研究室では、誰も調べたことのない超伝導体を扱うことができ、思ってもみない結果が得られることがあります。刺激的な研究生活を過ごせる芝内研究室で一緒に研究ができることを心から楽しみにしています。


水上 雄太 さん

水上 雄太 さん [Yuta Mizukami]

芝内先生は、この固体物理学の分野で非常に多くの実績があり、実験の指針に関しても豊富で新しいアイデアを持っています。また、非常に学生指導が上手で気さくな方なので、学生が自分の意見や主張を伝えやすい雰囲気があります。研究者と教育者の両面を持つ大学の先生としては鏡のような方だと思います。

新しい研究室ですが、研究活動は様々なテーマを非常に活発に行っています。この研究は、人の活動の中で最も本質的な仕事の一つであると感じており、産業の構造を大きく変えられる可能性を感じます。

物質系専攻を志す方へ

研究は勉強とは異なり、能動的に実験を行い勉強したことを踏まえて自分の成し遂げた発見を主張していく仕事です。その中でも物質系専攻は産業への道のりが近く、研究の意義を感じやすい。将来このような仕事を通じて社会に貢献したいと考えている学生さんにぜひ来て欲しいです。