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砂糖水で植物の気孔がくっついた: 気孔分布パターンを変化させる栽培条件の発見

気孔は植物の葉や茎の表面に存在する小さな穴であり、根で吸った水分を蒸散により大気中に放出したり、光合成のためにガスを交換したりする重要な器官です。この気孔を構成する一対の孔辺細胞は互いに接触することなく、離れた位置に分布しています。これまで特定の遺伝子を欠損した変異体による研究から、気孔が出来る位置がどのように決まるのか調べられてきましたが、その全貌は未だに分かっていません。

 

東京大学大学院新領域創成科学研究科の秋田佳恵(博士課程)、馳澤盛一郎教授、桧垣匠特任助教による研究グループは、適切な濃度(1-5%程度)のショ糖(砂糖の主成分)水溶液の中でシロイヌナズナの種子を発芽させると、気孔が隣接した葉が出来上がることを偶然発見しました(図)。ショ糖処理した葉を構成する細胞では、本来であれば孔辺細胞でしか発現しない遺伝子が他の細胞でも誤って発現するなど、細胞の性質が遺伝子レベルで変化することが分かりました。このショ糖水溶液を使った簡便な方法によって、気孔が出来上がる仕組みをより詳細に調べることができると期待されます。この成果は、9月11日に米国の科学雑誌 PLOS ONE(プロスワン)に掲載されました。

 

図.気孔の顕微鏡画像.ショ糖処理により唇型の気孔が隣接した.

 

発表論文
Kae Akita, Seiichiro Hasezawa, Takumi Higaki
Breaking of plant stomatal one-cell-spacing rule by sugar solution immersion.
PLOS ONE 8(9): e72456. doi:10.1371/journal.pone.0072456
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0072456