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2018年9月7日(金)に研究科20周年記念関連イベント、シンポジウム「盲導犬の新領域、盲導犬と新領域」が開催されました

2018年9月7日(金)13:30より、本研究科主催、日本盲導犬協会(以下協会)後援にて、研究科20周年記念関連イベント、H30学融合研究推進プロジェクトとして「盲導犬の新領域、盲導犬と新領域」シンポジウムが開催されました。

本シンポジウムでは、協会の多和田悟理事より、盲導犬PR犬のデモンストレーションが行われた後、三谷啓志研究科長の開会のあいさつが行われました。協会側のニーズとして多和田理事より「見ないで歩く」と題して、盲導犬と視覚障がい者についての説明、これまでの協会のあゆみ、多和田理事が携わった研究開発および今後開発したい機器についての講演がありました。次に、協会の松浪芳郎理事より盲導犬歩行学に関する説明があり、盲導犬の繁殖・育成、盲導犬ユーザーの歩行時のデバイス、ユーザー歩行時の社会環境に関する課題について講演されました。

これらの協会のニーズをうけて、新領域側のシーズとして、環境系・稗方和夫准教授より、システムズアプローチを用いた協会の問題点のうち、盲導犬というサービスを提供する協会とそれを受けるユーザーの2者間の関係に着目した結果、盲導犬ユーザーをとりまく社会環境の向上により、よりよい歩行を行うことができると結論づけられました。次に、基盤系・篠田裕之教授より、触覚デバイスを用いて盲導犬ユーザーに歩行補助デバイスを開発する、また歩行補助者と視覚障がい者の触覚が同期するウエアブルデバイスを装着することで歩行補助ができるなどのアイデアが紹介されました。そして、環境系・大島義人教授より、大学への進学にあたり、障がい者の理系への進学が低いことのデータを統計的に示され、これらを改善するための実験室のありかた、特にさまざまな器具等の位置固定の提案と、さらに視覚障がい者の心理的側面からの安全性の認識について講演されました。

パネルディスカッションでは、生命系・渡邊学准教授、協会の松浪理事がファシリテーターとして、上記の先生方に加えて、吉川明協会理事、視覚障がい者である東北大・理学部職員、澤口亜由美氏をパネラーとして、以下の3つの議題に関してのパネルディスカッションが行われました。

 

1,協会のニーズと新領域のシーズの融合については、協会の課題に関して、稗方先生より盲導犬ユーザーの社会周辺環境の改善という結論に対して、篠田先生からの歩行デバイスの開発による歩行の向上、大島先生より視覚障がい者の安全性の認識による危険性の低下の提案が述べられたことより、3先生のシーズが有機的に協会のニーズに対しての解答を示すことができたことを示し、三谷研究科長より新領域側の評価、吉川理事より協会側の評価のコメントをいただきました。

2.澤口氏より、事前に視覚障がいについての困難な点をうかがったコメントを元に、物理的な側面および心理的な側面からの解決法を議論しました。物理的な側面に関しては、篠田先生よりこれらを克服するためのデバイスの開発についてコメントをいただき、心理的な側面からは稗方先生より、お手伝いをお願いする視覚障がい者とそれをお手伝いする一般人という2者間の関係をシステムズアプローチの観点から解決法に関するコメントをいただきました。

3.盲導犬・ユーザーに対しての夢のデバイスの開発に関しては、松浪理事からの理工学的な観点よりコメントをいただき、最後に盲導犬ユーザーの川上さま、三谷研究科長よりそれぞれ総評をいただきました。

最後に吉川理事より閉会のあいさつをいただき無事に閉会となりました。参加者総数も80名程度で、事後のアンケートでもほとんどの参加者より好評価をいただいております。