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物質系専攻・D1糟谷直孝君の論文がApplied Physics Express誌の“Spotlights”論文に選ばれました

物質系専攻竹谷・岡本研究室の糟谷直孝君(D1)らは、広栄化学工業との共同研究で開発した新奇ポリマー誘電体を用い、有機半導体単結晶に対して結晶構造乱れを誘発することなく非常に高密度なキャリアを注入することに成功しました。今回用いた新奇ポリマー誘電体は側鎖にカチオン性官能基とアニオン性官能基の両方を持ち合わせており、本研究においてガラス転移と外部電場の協奏的効果によって常誘電体からエレクトレットと呼ばれる状態へと変化することを実験的に明らかにしました。エレクトレットとは半永久的に電場を形成し続ける物質であり、磁場を形成するマグネットに対比される概念です。開発した新奇ポリマー誘電体のエレクトレット状態を有機半導体単結晶へのキャリアドーピングに応用することで、有機半導体界面の構造を乱さずに静電的にキャリア注入することが可能となりました。誘起可能な最大キャリア密度が有機半導体1分子当たり1電荷に相当することと併せて、この「エレクトレットドーピング」が有機半導体の電子相転移のキーテクノロジーとなることが期待されています。
本研究成果は、Applied Physics Express誌の令和元年6月4日版に掲載され、また“Spotlights”論文に選ばれました。