過去の開催一覧|

2011年度第7回学融合セミナー

講義:
2011年12月21日 16:30~18:00
場所:
新領域基盤棟大講義室(2C0)
宮本 英昭 准教授

火星科学とMELOS計画

宮本 英昭 准教授

 人類は現在、猛烈な勢いで火星を探査している。特にこの10年の間に火星に関する知識は驚異的に増大し、 温暖湿潤な気候や液体の水が、かつて火星に存在していたことなどが明らかになった。さらに、現在もメタンガスが発生している場所があるとされ、火星生命の可能性すら議論されるようになっている。  こうした最新の火星科学をレビューすると共に、現在日本で検討が進められている火星探査計画について紹介する。

鈴木 雅京 准教授

性決定遺伝子を標的とする害虫防除方の開発

鈴木 雅京 准教授

 性と生殖・繁殖とは密接な関わりがあり、性の分化を制御することが出来れば、生殖・繁殖も制御出来る。  従って、昆虫の性決定機構についての詳細な研究は、新たな害虫防除法を開発する上で重要な手がかりを与えてくれると言える。一方、昆虫は性ホルモンを持たず、哺乳類を始めとする脊椎動物とは大きく異なるユニークな性決定機構をもつため、そのメカニズムを理解することは、学術的にも意義深いと言える。  本講義では、昆虫の性決定機構に関する最新の知見を紹介すると共に、その害虫防除法への応用の可能性について紹介する。

小島 茂明 教授

日本海の環境変動と深海生物

小島 茂明 教授

 半閉鎖的海域である日本海では最終氷期に大規模な環境変動が起こり、その最盛期には無酸素化により深海生物が死に絶えたとされてきた。  しかし日本海の深海性底魚集団の遺伝的特徴をオホーツク海や太平洋の集団と比較したところ、最終氷期の日本海で生き延びた種がいることが明らかになった。深海性底魚の耳石の分析から発生初期に海洋表層付近へ浮上する個体発生的鉛直移動の有無が、種の“生死“を分けたことがわかってきた。