FPXCとは
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先端ゲノミクス研究部門

  ヒトは、約3万種類の遺伝子産物によって構成される複雑で精巧な分子システムである。疾患はこの分子システムの乱れと捉えることができる。我々の研究室では、完全長cDNAライブラリーの構築法を開発し、完全長cDNAの形でのヒト遺伝子の網羅的収集を行ってきた。現在までにヒト遺伝子の大部分についてはそのカタログ化が終了したと考えている。今後は、これらのcDNAを基盤として分子システムとしてのヒトを理解し、疾病の診断・治療・予防につなげていかなければならない。そのために、まず依然として機能未知である約1万の新規遺伝子について、我々は、質量分析機を用いたタンパク質レベルでの遺伝子発現の検証を行うと同時に、計算機を用いたタンパク質モチーフまた、膜貫通領域といった機能ドメインの推定を行っている。さらに予測された細胞内局在を検証すべく、GFP・YFP融合タンパクを用いたハイスループットな細胞内局在の実験的同定を行っている。さらに、多数の遺伝子群がいつどのような制御を受けて発現されているかのメカニズムを解明することが不可欠である。そのためには、遺伝子のプロモーターなど発現制御領域の同定と解析が必要である。

  完全長cDNAの塩基配列情報は、そのコードするタンパク質の完全な情報をもたらしただけでなく、従来困難であった正確な転写開始点(完全長cDNAの5’端は定義上mRNAの転写開始点に相当する)の決定作業をゲノム規模で行うことを可能にした。我々は、完全長cDNA配列とヒトゲノム配列を比較することにより、ヒト遺伝子についてゲノム上での正確な転写開始点の位置を決定し、隣接する上流転写制御領域(プロモーター領域)の配列を同定しデータベース化をしている。
  さらに同定されたプロモーターのどの領域にどのような転写活性化能が含まれるかを実験的に検証すべく、我々は約500の遺伝子について、プロモータークローンを単離、レポーター遺伝子アッセイによりその転写活性化能を測定している。また、クロマチン免疫沈降法を用いて、転写因子とプロモーターとの相互作用を同定する実験系の構築も併せて行っている。

  また、次世代シークエンサーを用いた大量の臨床サンプル(主に、がんのサンプル)の解析を、多くの医学研究者と協力して進めており、実際の患者さんの病態の解明につながる基盤を整備し、システム医科学に貢献することを目指している。


プロテオミクス解析グループ (植田幸嗣 特任准教授)

  2014年より東京大学医科学研究所にて加入したプロテオミクス解析グループでは、最先端の質量分析計と様々な独自の分析技術開発に立脚した「がん、難病に対する新規治療薬・診断薬開発」を実施している。

  質量分析によるヒト臨床検体(血清、血漿、脳脊髄液、組織など)の網羅的プロテオームプロファイリング(全タンパク質発現変動解析)を基盤とし、分泌タンパク質上糖鎖構造の癌性変化を指標とした「糖鎖標的腫瘍マーカー」、血中を循環する細胞外分泌小胞(エクソソーム)上の特異抗原を利用した「リキッドバイオプシー法」などを開発している。

  その他、多彩なオリジナル超高感度分析法を駆使して、肺癌、大腸癌、スキルス胃癌、膵癌、前立腺癌のバイオマーカー開発、さらには難病のHTLV-1関連脊髄症(HAM/TSP)に対する治療薬・診断薬開発も進めているところである。

  また、多検体由来の大容量データ定量解析、統計解析に耐えられるよう、高性能のプロテオームサーバーシステムExpressionistを整備して解析を行っている。

  こうした最高水準のタンパク質解析技術を多くの分野で利活用してもらうために、国内外の研究室から受託解析や共同研究も積極的に受け入れている。

  ホームページ : http://biomarker.jimdo.com/